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――未来を、棄てた。
宝石箱-エクラン-のなかでは一番新しい。
彼は純正ではなく、不老不死を求め自滅した元人間。
真意を汲んだ主の気紛れにより、其の魂は幻想へ。
ミステリアスだが、どこか拍子抜けた愛嬌を持つ。
――(NaAlSi3O8)50-30(CaAl2Si2O8)50-70
-領主-貴族-錬金術師-端正-美声-体ヲ表ス名-指先-血肉-.....
凡人が羨み、時として妬んだ宿命と理の具現。
それは、本来の天真爛漫さと優しさへの枷鎖となり歪み、いつしか自分自身の闇にきつく束縛されていた。
生前/死後と我道をゆく天才型には、他人など些細な物。
しかし、解放と引換に得た自由とはまた、永遠の自己管理でもあった。
「こうで在らねば為らない」「そうで在ることが当然」
否、「どうで在れば、正しく光を得られる?」「…………、」
書の知識は膨大にあれど、経験としての知恵は浅い。
再び自分自身から縛られてゆく事を恐れたリベラは、魂との媒体を持つ【Harold_Piers】へ、互いの為となる契約の締結を強請った。
邂逅は多重の意味にして廉潔では無かったが、画面越しでさえ憧れを擁いていた人間。
其れは残虐性などでは無かった。どんな夜の箱に囚われていようとも、決して闇に染まりきらない、美しく強い眼差しに焦がれていたのだと言う事を、漸く理解した。
朝の光と夜の闇を持つ、神秘のラブラドライト
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